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個人と社会に価値を還元する、「大丸有」の未来予想図 三菱地所プロパティマネジメント株式会社

日本を代表するビジネス街として知られる丸の内。117の一部上場企業が本社を置き、その連結売上高は約122兆円にものぼるという。
しかし近年はその際立った利便性の高さから、ビジネスの拠点としてだけでなく、ファッションやグルメ、カルチャーなどさまざまな施設や商品、サービスを提供する街へと変貌しつつある。
さらにデジタル基盤の強化やSDGsの観点を取り入れた再開発プロジェクトも進み、ますます価値を高めていくことが予想される。変化の著しい東京の中でも特に目が離せない「大丸有」エリアの今後について聞いた。

 

ビジネス、ファミリー、観光に1日100万人が往来
 
大塚:御社ではどういった媒体を取り扱っているのでしょうか?
 
小武:主に「大丸有」(だいまるゆう=大手町・丸の内・有楽町)と呼ばれる約120haのエリアを商圏としており、エリア内の三菱地所が所有・管理するビル約30棟をはじめ、商業施設やオフィスビル内のメディアを取り扱っています。
丸の内仲通りに設置されたフラッグや地下通路にある柱巻きのサイネージやポスターボードも当社が管理をしています。
 
大塚:「大丸有」というのは端的にいうとどのようなエリアですか?
 
小武:約4,300事業所がエリア内に拠点を置き、約28万人が働いています。コロナ以前は東京駅を含めると1日約100万人以上が往来するという点が最大の特色です。
これだけのスケールで様々な人々が日々集まり、出会い、多種多様な価値観や想いが複層的に重なり合いながら構築されている街は、おそらく世界的に見ても稀ではないでしょうか。
 

 
大塚:丸の内はこの20年でだいぶ変わりましたよね。
 
小武:はい。今年は2002年の丸ビル開業からちょうど20年という節目の年になります。
丸ビル開業以降も大丸有エリアでは多くの新しいビルが建設され、並行して丸の内仲通りのブランドショップをはじめとする商業施設や三菱一号館美術館などの文化施設が次々にオープンし、ビジネスパーソンだけではなく、土日にはファミリー層や観光客も呼び込む街になっています。
直近の2020年1月には、三菱地所による「丸の内 NEXT ステージ」というプロジェクトが始まり、さらに価値ある街へと進化していきたいと考えています。
 
大塚:どういったプロジェクトなんですか?
 
小武:2020年以降のまちづくりのテーマとして「丸の内Reデザイン」を掲げ、人や企業が集まり交わることで、新たな価値を生み出す舞台となることを目指す姿としてスタートいたしました。
主に、街全体が実証実験の舞台となり、新たなイノベーションを生み出すシステムの構築や、街に集まる様々なデータ、最先端のテクノロジーを活用したデジタル基盤の整備を進めていきます。
特に2030年までに常盤橋エリアや有楽町エリアを中心に再整備することが計画されています。具体的には2027年度に完成する日本一の高さとなる地上63階建て・高さ約390mの「トーチタワー」や、文化芸術を核として有楽町エリアを再整備する計画を予定しており、是非、今後の開発プロジェクトにも注目していただきたいと思います。

大塚:予算も規模もケタ違いですね。東京がさらに面白い街になりそうで楽しみです。
 
 

大きさと数で圧倒するネットワークサイネージ
 
大塚:エリア内で注目のメディアはどちらですか?
 
小武:大丸有エリア全体に多数設置された、デジタルサイネージですね。106台の横型サイネージを網羅する「丸の内ビジョン」は、商業施設のエレベーターホールや休憩可能なパブリックスペースなど、就業者や来館者が滞留しやすい場所に音付きのサイネージが設置されています。
うち1台は丸の内ビル1階に設置されている246インチの大型モニターで、イベントスペースと連動した利用も可能です。
また、東京メトロ丸ノ内線東京駅の改札前に広がる地下広場の「丸の内リンクサイネージⅡ」も人気です。縦型サイネージ38台が並んでいまして、1社ジャックができる媒体です。ノイズが少なくきれいに意匠が見えるため、好調に稼働しています。
 

丸の内ビジョン


丸の内ビル1階に設置されている246インチの大型モニター


丸の内リンクサイネージⅡ
 
大塚:「大丸有」エリアは立地柄原則、屋外広告物が制限されていますから、こうした大型メディアは貴重ですね。クライアントはどのような企業が多いですか?
 
小武:ビジネスパーソンが中心の街であることは変わりありませんので、基本的にはBtoB向けのクライアントが多いです。エリア内のテナント企業様はもちろん、外部の企業様にもご出稿いただいています。
また、外資系企業が多く集積している点や東京駅が至近でわかりやすいことから、外資系企業様の出稿も多いですね。その他、地方自治体の観光PRやワーケーション関連の広告が多い点は、最近の特徴かと思います。
 

 
大塚:最近の事例で注目のものは?
 
小武:2019年より三菱地所グループとしてラグビーを切り口とした街づくりに係るプロモーションを行っており、丸の内ビル1階の「マルキューブ」というイベントスペースに大型モニターを設営してパブリックビューイング等様々な施策を行っております。
同時に「丸の内ビジョン」の大型サイネージでもラグビー関係の広告を出して会場を盛り上げました。丸の内仲通りでは、フラッグを活用した広告で街の賑わいを醸成し、さらにベンチアートで選手の銅像を展示しました。
エリア内の飲食店にラグビーに関連付けたフードを提供してもらうなど、エリア全体を回遊しながらイベントを楽しんでいただける企画を実施しました。


丸の内ビル1階の「マルキューブ」
 

丸の内仲通りフラッグ
 

街のあり方、人の動きを研究するフィールドとして
 
大塚:丸の内エリアでは、スマートシティ関連の実証実験も行っているそうですね。
 
小武:はい。例えば2019年から実施している「Marunouchi Street Park」は、丸の内仲通りの今後のあり方や活用方法を検証する社会実験で、24時間車両交通規制をかけ、天然芝等を敷いて街なかの公園空間を創出。
ストリートの役割や季節ごとの可変性を探ってきました。また、「3密」を回避し安全安心な空間を提供するための実験として、人流レーダーやセンサー、WEBカメラ等を用いて人の滞留や歩行速度を検証しました。
直近の2021年12月には冬場に初実施となる「Marunouchi Street Park 2021 Winter」を実施し、ストリート上で暖を感じることのできる空間づくりにチャレンジしていました。
 
大塚:12月の仲通りというとクリスマスイルミネーションのイメージが強かったですが、そんな実験も行われていたんですね。


仲通りのクリスマスイルミネーション 

小武:冬場ということで寒さを考慮した空間演出や、インフォメーションセンターの機能を持った仮設建築物等を設置しました。そのほか、遠隔注文とロボットによる商品配送の実験や、無人の自動運転バスの走行実験など、スマートシティの実現に向けた実験も街全体で行っています。
 
大塚:最先端の取り組みですね。エリア自体が常に話題を提供している分、広告効果も高まりそうです。これからも楽しみな「大丸有」ですが、御社の展望をお聞かせください。
 
小武:先ほど申し上げましたとおり、丸の内エリアは、今後も再開発を進め、新しいことへのチャレンジをし続けていきます。
そして多くの方々が集い、出会い、様々な価値観や想いが重なり合う、刺激的で好奇心が溢れるワクワクするような街づくりを目指していきたいと考えています。
同時に、丸の内エリアを象徴し、街づくりの方向性を指し示すエリアジャックイベントを丸の内仲通りやエリア全体に配備されたイベントスペース、ホール&カンファレンスなどで一体となり開催していくことで、多様な交流や発信力の最大化を実現していこうと考えています。
 


プロフィール


三菱地所プロパティマネジメント株式会社
サービスソリューション推進部
サービスソリューション第2ユニット長
小武 秀彰


http://marunouchi-media-link.jp



取材・文/大貫翔子

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