OOHニュース
「OOHが生き残るにはデジタル化しかない」世界一の広告マンが語る未来 | 現王園章太
今回の記事は、OOHのプロである現王園さんに寄稿していただき掲載しております。
現王園さんは現在イギリスでお仕事をされており、日本に留まらずグローバルな視野でOOHについて発信をされております。
Twitterやnoteで発信をされているのでチェックしてみてください。
文/現王園章太
現王園さんは現在イギリスでお仕事をされており、日本に留まらずグローバルな視野でOOHについて発信をされております。
Twitterやnoteで発信をされているのでチェックしてみてください。
文/現王園章太
媒体社や広告会社の集まるOOHに関するビジネスカンファレンスは、World Out of home organizationが毎年主催するカンファレンスに加えて、世界各地で定期的に行われています。
先日、南米の業界団体が主催するカンファレンスが行われたのですが、ゲストスピーカーとしてMartin Sorrellさんが来て話をしていました。
Martin Sorrellさんといえば、世界一の広告会社WPPの創業者(現在は退任し、デジタルマーケティング/投資会社を経営)であり、世界一の広告マンといえます。
そんなSorrellさんが1時間だけではありますが、OOH媒体について語ったのがこのカンファレンスでの講演で、本日は彼の話のポイントをピックアップしながらこれからのOOHについて考えていきたいと思います。
OOHが生き残るにはデジタル化しか道はない
講演の中では今の広告業界の置かれた状況から始まり、OOHの可能性についての説明があったものの、一般的な話に終始していてそんなに珍しい話はないなぁと感じていたのですが、その後に設けられた質疑応答の時間が非常に興味深いものでした。
「あなたがOOH広告の媒体社なら何をしますか?」
これは媒体社からの質問ですが、sorrellさんの回答に、OOHの目指すべき”キーワード”が出てきました。
「すべての媒体をデジタル化する」
この”デジタル化”についてもう少し細かく説明をしてくれていたので、見ていきましょう。
”デジタル化”というのは3つのポイントを抑えることだ。とsorrellさんは説明しています。
”デジタル化”で目指すべき3つのポイント
彼があげたOOHメディアをデジタル化するための”3つのポイント”は以下の通りです。
1.データに基づいたターゲティング
2.パーソナライズされたコンテンツ
3.早く効率的に(安く)メディアを提供する
2.パーソナライズされたコンテンツ
3.早く効率的に(安く)メディアを提供する
続けて以下のように言っています。
現在世界の主要な広告主となっている Apple, Samsung, Alibaba, Netfilx , Spotify ,P&G, Googleなどは打ち手に対する結果をすぐに求めています。上記3つのポイントをスピード感をもって提供することが重要で、OOH広告もこうした要件を満たすための”デジタル化”が必要と考えます。
個人的には、上記3つのデジタル化の視点は非常にわかりやすく、納得感がありました。この3つのポイントに加えて、更にキャンペーンの評価。という項目を加えると、PDCAを回せるようになると思っています。
”デジタル化”を推し進めるイギリス
僕も何度かnoteで書いていますが、イギリスのOOH業界はSorrellさんが指摘する3つのポイント+キャンペーン評価。を広告主に提供するべく媒体社/代理店が協業しています。
(詳しくは以下のnoteを読んでみてください)
(詳しくは以下のnoteを読んでみてください)
イギリス市場は、今年の第3四半期(7-9月)において、OOH全体の売り上げにおけるDOOH(デジタルサイネージ)の売り上げがついに60%を超え、この数字からもデジタル化が積極的に進んでいることがわかります。
インターネット広告の成長は止まらない
SorrellさんはOOHについてポジティブな声も上げていました。
アメリカでは2024年に広告費全体の64%(2019年は46%)がインターネット広告になると言われており、これは避けられない。今、広告主が求めているのはメディア(媒体)ではなく、透明性であり、効果です。OOHがインターネット広告上のコンバージョンに役立つ事は、グローバル企業のマーケティング担当者からも聞こえてくる。ワクチンが開発されれば回復を見せるメディアだと思っているので、成長に期待したい。
イギリスOOH市場でも、OOHがインターネット広告の効果と良い相乗効果をもたらすことは、多くの場所で語られるようになっていますし、数値としても現れています。
インターネット広告が成長し続ける中で、いかにインターネット広告を補完するメディアになるか。
「市場」と「代理店」と「媒体社」の3者が広告主に協力を求めながら”デジタル化”を進めていけるかが、これからのOOH広告成長のカギになりそうですし、逆にこの点を実現できないとメディアの価値は失われてしまう事を、改めて感じた、今回のMartin Sorrellさんの講演でした。
「市場」と「代理店」と「媒体社」の3者が広告主に協力を求めながら”デジタル化”を進めていけるかが、これからのOOH広告成長のカギになりそうですし、逆にこの点を実現できないとメディアの価値は失われてしまう事を、改めて感じた、今回のMartin Sorrellさんの講演でした。
なお、今回の記事については、ALOOHでの講演に加えて、以下の動画や記事でのMartinさんの過去の発言も参考にしております。
Shota Gennozono
平日は広告代理店勤務(屋外広告と交通広告を中心に8年間)で、現在はイギリスに出向中。twitter(@gennozono)では、 #OOHマーケティング でOOHを起点としたマーケティングについて考えてます。
現王園さんはOOHに関する記事をnoteに投稿されてます。
ぜひ、他の記事もチェックしてみてください。
現王園さんのnoteはこちらからご覧ください。