OOHニュース
【keyperson interview】メディアコンシェルジュ・大谷昭徳氏「OOHは企業が示したい姿勢や態度を表現する方法」【後編】
SPACE MEDIAを運営するミューカ代表・大塚省伍がOOH業界を牽引するキーパーソンの方々と対談を行い、変化の激しい業界の未来を創造する特集企画。
記念すべき第1回目の対談相手は、株式会社メディアコンシェルジュ代表・大谷昭徳氏。カンヌ国際広告祭金賞をはじめとした世界各国の広告賞で金賞に輝くなど、華々しい経歴を持つ大谷氏に、起業に至る経緯、実業家としてのターニングポイント、Withコロナ時代のOOHの在り方などについて聞いた――。
前編はこちら
カンヌ受賞後、世界中からオファーが舞い込む
大塚:どの広告もスマホの時代だったら爆発的に拡散されそうですね。
大谷:2000年代前半はガラケー全盛の時代だったけど、この時から「写真を撮られる広告」を意識していたよ。今、紹介した広告ってすべて、写真で撮った時にちゃんと「アディダス」って情報が入るように作ってるんだよね。
僕はOOHって「一コマ漫画」だと思っていて。みんなが写真を撮った時にメッセージや情報が入っていて、伝播されることをイメージしていつも作ってるから。
大塚:ちなみに、ご自身にとってのターニングポイントといえるお仕事は何でしたか?
大谷:一番のターニングポイントになったのは、これもアディダスの仕事で、人を壁に吊るしてサッカーをやった「バーティカルフットボール」かな。この広告でジョンと僕はカンヌでゴールドを獲った。
カンヌでグランプリを獲ると、はっきり言って世界が変わる。『M-1』で優勝するようなものだね。世界中からオファーが舞い込むようになった。
だから、広告業界には夢があると伝えておきたい。そして広告業界で働く若手には、夢がある道を歩んでほしい。広告業界は食えるんだよ。
独立して成功すれば、プロ野球選手並みの給料になることだってある。ただし条件は、世界的に権威のある広告賞を獲ること。その賞を一番獲りやすいのは、OOHだと声を大にして言いたいね。
大塚:大谷さんの中でOOH広告の意義やミッションは何だと思いますか?
大谷:キャンペーンには、ブランディングに基づいたものと、販促に基づいたものがある。わかりやすく言うと、映画の広告なんかは完全に販促じゃない? 販促の広告を定義すると、「賞味期限がある広告」。
一方で「賞味期限がない広告」はというと、例えば、何十年とその価値が世界中から認められているAppleなんかは、それを打ってることになるよね。
OOHが相手にすべきなのは、賞味期限がない広告のほう。その企業が示したい姿勢や態度を表現する方法として、OOHはあるべきじゃないかな。
そして、OOHは企業のブランディングに一番適してる。これは間違いない。結局、僕たちの仕事はクリエイティブのための仕事なんだよ。
日本のクリエイティビティのための仕事をして、それによって企業の資産価値を高めていくことが目的だと思う。
Withコロナ時代は大チャンス!
大塚:なるほど。では、Withコロナ時代に向けて、屋外広告はどうなっていくとお考えですか?
大谷:大チャンスだよね。クリエイティビティファーストで、それを自由度高くブランディングして表現できるメディアはOOHくらい。だって、テレビCMは次から次へと流れていっちゃうじゃない。Webもそう。
だけど、OOHは振り向けばそこにある。僕たちの仕事は、人が外に出ていないから成立しないなんて大間違い。いつの時代も競争が激化して活性化する業界が存在するけど、OOHはそんなシーンで効果的にブランディングを表現できるメディアのひとつでもある。
活性化している例を挙げるとしたら、今だったらドコモ、au、ソフトバンクでシェア争いをしている通信業界など。
昔はタバコ業界が、JT、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコという3社で競合していた状態もあった。
オークションは2人いたら、競り合いが起こる。今、その状態が起きている業界はどこか。活性化している業界に目を向けて、自分たちにしかできないクリエイティブは何かを考えられる。
むしろ、僕たちのクリエイティブは自由度が高いと思うから、わざわざ屋外広告、OOHといったカテゴライズをする必要がない。求めるもの、表現したいものを、何を使ってどう実現するか、それだけ。それを考えるだけでも可能性は無限に存在すると思う。
大谷昭徳氏 プロフィール
1974年9月28日生まれ。2001年7月、26歳で株式会社メディアコンシェルジュを設立し、現在20期目。同社の経営者を務めつつ、自ら企画及びディレクションを行う。カンヌライオンズ、ONE SHOW、クリオの世界三大広告賞をはじめ、数多くのコンペティションで金賞を受賞した経歴を持つ。
https://www.mediaconcierge.jp/
取材・文/小島浩平
記念すべき第1回目の対談相手は、株式会社メディアコンシェルジュ代表・大谷昭徳氏。カンヌ国際広告祭金賞をはじめとした世界各国の広告賞で金賞に輝くなど、華々しい経歴を持つ大谷氏に、起業に至る経緯、実業家としてのターニングポイント、Withコロナ時代のOOHの在り方などについて聞いた――。
前編はこちら
カンヌ受賞後、世界中からオファーが舞い込む
大塚:どの広告もスマホの時代だったら爆発的に拡散されそうですね。
大谷:2000年代前半はガラケー全盛の時代だったけど、この時から「写真を撮られる広告」を意識していたよ。今、紹介した広告ってすべて、写真で撮った時にちゃんと「アディダス」って情報が入るように作ってるんだよね。
僕はOOHって「一コマ漫画」だと思っていて。みんなが写真を撮った時にメッセージや情報が入っていて、伝播されることをイメージしていつも作ってるから。
大塚:ちなみに、ご自身にとってのターニングポイントといえるお仕事は何でしたか?
大谷:一番のターニングポイントになったのは、これもアディダスの仕事で、人を壁に吊るしてサッカーをやった「バーティカルフットボール」かな。この広告でジョンと僕はカンヌでゴールドを獲った。
カンヌでグランプリを獲ると、はっきり言って世界が変わる。『M-1』で優勝するようなものだね。世界中からオファーが舞い込むようになった。
だから、広告業界には夢があると伝えておきたい。そして広告業界で働く若手には、夢がある道を歩んでほしい。広告業界は食えるんだよ。
独立して成功すれば、プロ野球選手並みの給料になることだってある。ただし条件は、世界的に権威のある広告賞を獲ること。その賞を一番獲りやすいのは、OOHだと声を大にして言いたいね。
大塚:大谷さんの中でOOH広告の意義やミッションは何だと思いますか?
大谷:キャンペーンには、ブランディングに基づいたものと、販促に基づいたものがある。わかりやすく言うと、映画の広告なんかは完全に販促じゃない? 販促の広告を定義すると、「賞味期限がある広告」。
一方で「賞味期限がない広告」はというと、例えば、何十年とその価値が世界中から認められているAppleなんかは、それを打ってることになるよね。
OOHが相手にすべきなのは、賞味期限がない広告のほう。その企業が示したい姿勢や態度を表現する方法として、OOHはあるべきじゃないかな。
そして、OOHは企業のブランディングに一番適してる。これは間違いない。結局、僕たちの仕事はクリエイティブのための仕事なんだよ。
日本のクリエイティビティのための仕事をして、それによって企業の資産価値を高めていくことが目的だと思う。
Withコロナ時代は大チャンス!
大塚:なるほど。では、Withコロナ時代に向けて、屋外広告はどうなっていくとお考えですか?
大谷:大チャンスだよね。クリエイティビティファーストで、それを自由度高くブランディングして表現できるメディアはOOHくらい。だって、テレビCMは次から次へと流れていっちゃうじゃない。Webもそう。
だけど、OOHは振り向けばそこにある。僕たちの仕事は、人が外に出ていないから成立しないなんて大間違い。いつの時代も競争が激化して活性化する業界が存在するけど、OOHはそんなシーンで効果的にブランディングを表現できるメディアのひとつでもある。
活性化している例を挙げるとしたら、今だったらドコモ、au、ソフトバンクでシェア争いをしている通信業界など。
昔はタバコ業界が、JT、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコという3社で競合していた状態もあった。
オークションは2人いたら、競り合いが起こる。今、その状態が起きている業界はどこか。活性化している業界に目を向けて、自分たちにしかできないクリエイティブは何かを考えられる。
むしろ、僕たちのクリエイティブは自由度が高いと思うから、わざわざ屋外広告、OOHといったカテゴライズをする必要がない。求めるもの、表現したいものを、何を使ってどう実現するか、それだけ。それを考えるだけでも可能性は無限に存在すると思う。
大谷昭徳氏 プロフィール
1974年9月28日生まれ。2001年7月、26歳で株式会社メディアコンシェルジュを設立し、現在20期目。同社の経営者を務めつつ、自ら企画及びディレクションを行う。カンヌライオンズ、ONE SHOW、クリオの世界三大広告賞をはじめ、数多くのコンペティションで金賞を受賞した経歴を持つ。
https://www.mediaconcierge.jp/
取材・文/小島浩平
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