OOHニュース
あらゆるボーダーを乗り越えた<新生PARCO>が考える「自由」とは 株式会社パルコ
2019年11月、約3年間の休業期間を経てリニューアルオープンした渋谷PARCO。箱を積み上げたような外観やらせん状につながる動線は商業施設建築として話題を集めたが、中身も負けず劣らず斬新に生まれ変わった。
さまざまな価値観が混在し融合する渋谷の街で、カテゴリやセグメントにとらわれず独自のカルチャーを発信し続けるPARCOは、メディアとしても「自由」を追求する時代の先駆者だ。
国境も性別も年齢も。全方位対応の次世代型商業施設
大塚:渋谷PARCOとはどのような商業施設ですか?
手塚:1973年に開業し、2016年に建て替え、2019年にリニューアルオープンしました。PARCOは池袋が1号店で、渋谷は2号店になります。「PARCO」はイタリア語で「公園」を表していまして、「公園通り」もそこから来ています。
地理的な側面では、駅から少し離れた場所にあるので、目的意識を持った方、PARCOの感性に共感する方が集まっているといえます。
一方で、渋谷駅から代々木公園や渋谷区役所に向かう公園通りに面しているので、非目的の方が流入しやすいという点もあります。
大塚:公園通りの由来はPARCOだったんですか。駅前ではないものの、立地としては大きなアドバンテージを持っているんですね。PARCOのコンセプトは?
手塚:メディアセンターという位置づけで、カルチャーの発信拠点というコンセプトを創業当時から持っています。パルコ劇場もミュージアムも、テナント貸しではなく当社でコンテンツを作り運営しているんです。
大塚:確かに、PARCO=カルチャーというイメージはあります。すべて自社で運営しているのはすごいですね。テナントの特徴はいかがですか?
手塚:ファッションでいうとモードファッション、コレクションブランドをずっと取り扱っています。渋谷に関してはインバウンドのお客様が多かったこともあり、ポケモンや任天堂などジャパンカルチャーを象徴するものも扱っています。
大塚:メインターゲットはどのあたりの層になるのでしょうか。
手塚:2019年のリニューアルより、メインターゲットは特に決めておらず、レディス、メンズというようなフロア分けもしていません。年齢や性別による属性というよりは、PARCOの感性に共感する方がお越しになっているというイメージです。
実際、いらっしゃるお客様の年齢比率を見ると、10代から50代まで幅広いお客様に支持されています。
大塚:ジェンダーレス、エイジレスというのは現代社会にマッチする考え方ですね。2019年のリニューアルオープンの際は、他にどのような刷新があったのでしょうか。
手塚:情報発信性を強化するべく、ホームページをリニューアルしSNSのアカウントもスタートしました。現在Instagramは5万人ほどフォロワーがついています。
PARCOだからできる自由度の高い空間利用
大塚:渋谷PARCOのOOHメディアについて教えてください。
越川:メディアとしてはまず、正面入口にイベントスペースがあります。広さは62㎡あり、ロンドンバスやキッチンカーといった車両を入れるイベントや、大型の工作物の展示も可能です。通りに面しているので、サンプリングも可能です。
大塚:渋谷エリアではかなり大規模なイベントができるスペースですね。
手塚:使い方はさまざまで、館内のポップアップショップと連動して掲出することもできます。ギャラリーの展示に合わせてイベントスペースに大きなオブジェを置いた時には、通行人が足を止めて写真を撮っていました。
また、スペイン坂広場にある巨大なOOHメディアにも掲出できます。
スペイン坂広場壁面
スペイン坂を上がって正面に構えるシート広告、アートウォール拠点です。エスカレーター横での展開が特徴、ペインターによるウォールペイントも可能です。
大塚:御社では一般的なOOH枠の運営のほか、ロケーションビジネスも行っているんですよね。
越川:はい。施設を撮影場所にご利用いただいています。屋上からは渋谷の街が一望でき、都会的な映像が撮影できるということで、音楽番組にも使っていただいています。
2020年の「ジャニーズカウントダウン」では、SnowManのパフォーマンスフロアとしてご利用いただきました。イベント後、ファンの間では「聖地」化していまして、ファンアイテムを持参して写真撮影をされているお客様も見受けられます。
大塚:音楽番組ですと、照明やセットも組まれますよね。演出はどのように決めるのですか?
越川:ロケハンや打ち合わせを行ったうえで、基本的には制作会社にお任せしています。
大塚:自由度が高いんですね。あえてそのようにしているんですか?
手塚:出稿やご利用のお話をいただいたとき、渋谷PARCOのコンセプトやイメージとマッチするかどうかという検討はさせていただきますが、できるだけ間口を狭めたくないということは考えています。
越川:実施方法についても、ルールを基準にすべてを判断するのではなく、「どうしたらできるか」ということをクライアント様と一緒に考えていきたいと思っています。
例えば、ある番組から「営業時間中に撮影したい」というお申し出があった際、テナント店舗に事前に許諾を得たり、警備や設備など運営側の協力を取り付けたりして、迷惑をおかけすることなく実施することができました。
大塚:実施のハードルを下げようとしてくれる姿勢は、クライアントにとってありがたいですね。
鮮度の高い情報で渋谷の街をもっと面白く
大塚:コロナ禍の影響はいかがですか?
手塚:もちろん影響は受けていますが、2021年の11~12月は来館者数も非常に増え、回復傾向にあります。オンラインも強化したので、売上自体は伸びていますね。
1度目の緊急事態宣言の時は施設自体をクローズしたのですが、解除になってリオープンした際は、BiSHのオンラインライブを配信しました。
プロモーションはリアルの場だけでなく、テレビやYoutube、オンラインを含めて広がっていくのではないでしょうか。
大塚:素晴らしいです。手塚さんが思う渋谷の街と、渋谷PARCOの今後の展望お聞かせいただけますか?
手塚:渋谷は大型商業施設と、路地に並ぶユニークな専門店が同居する街です。それぞれが個性を放ちながら、常に新しいことに挑戦しているという点が渋谷の魅力ではないでしょうか。
街自体はこれからも開発が続き、面白くなっていくと思います。PARCOはポップアップやギャラリーも多いので、新しい情報を鮮度高く発信していくことが役割だと思っています。
プロフィール
株式会社パルコ
プロモーション部
https://www.parco.co.jp
【写真右】
業務部長 手塚千尋
【写真左】
ロケーションビジネス担当 越川小百合
取材・文/大貫翔子
さまざまな価値観が混在し融合する渋谷の街で、カテゴリやセグメントにとらわれず独自のカルチャーを発信し続けるPARCOは、メディアとしても「自由」を追求する時代の先駆者だ。
国境も性別も年齢も。全方位対応の次世代型商業施設
大塚:渋谷PARCOとはどのような商業施設ですか?
手塚:1973年に開業し、2016年に建て替え、2019年にリニューアルオープンしました。PARCOは池袋が1号店で、渋谷は2号店になります。「PARCO」はイタリア語で「公園」を表していまして、「公園通り」もそこから来ています。
地理的な側面では、駅から少し離れた場所にあるので、目的意識を持った方、PARCOの感性に共感する方が集まっているといえます。
一方で、渋谷駅から代々木公園や渋谷区役所に向かう公園通りに面しているので、非目的の方が流入しやすいという点もあります。
大塚:公園通りの由来はPARCOだったんですか。駅前ではないものの、立地としては大きなアドバンテージを持っているんですね。PARCOのコンセプトは?
手塚:メディアセンターという位置づけで、カルチャーの発信拠点というコンセプトを創業当時から持っています。パルコ劇場もミュージアムも、テナント貸しではなく当社でコンテンツを作り運営しているんです。
大塚:確かに、PARCO=カルチャーというイメージはあります。すべて自社で運営しているのはすごいですね。テナントの特徴はいかがですか?
手塚:ファッションでいうとモードファッション、コレクションブランドをずっと取り扱っています。渋谷に関してはインバウンドのお客様が多かったこともあり、ポケモンや任天堂などジャパンカルチャーを象徴するものも扱っています。
大塚:メインターゲットはどのあたりの層になるのでしょうか。
手塚:2019年のリニューアルより、メインターゲットは特に決めておらず、レディス、メンズというようなフロア分けもしていません。年齢や性別による属性というよりは、PARCOの感性に共感する方がお越しになっているというイメージです。
実際、いらっしゃるお客様の年齢比率を見ると、10代から50代まで幅広いお客様に支持されています。
大塚:ジェンダーレス、エイジレスというのは現代社会にマッチする考え方ですね。2019年のリニューアルオープンの際は、他にどのような刷新があったのでしょうか。
手塚:情報発信性を強化するべく、ホームページをリニューアルしSNSのアカウントもスタートしました。現在Instagramは5万人ほどフォロワーがついています。
PARCOだからできる自由度の高い空間利用
大塚:渋谷PARCOのOOHメディアについて教えてください。
越川:メディアとしてはまず、正面入口にイベントスペースがあります。広さは62㎡あり、ロンドンバスやキッチンカーといった車両を入れるイベントや、大型の工作物の展示も可能です。通りに面しているので、サンプリングも可能です。
大塚:渋谷エリアではかなり大規模なイベントができるスペースですね。
手塚:使い方はさまざまで、館内のポップアップショップと連動して掲出することもできます。ギャラリーの展示に合わせてイベントスペースに大きなオブジェを置いた時には、通行人が足を止めて写真を撮っていました。
また、スペイン坂広場にある巨大なOOHメディアにも掲出できます。
スペイン坂広場壁面
スペイン坂を上がって正面に構えるシート広告、アートウォール拠点です。エスカレーター横での展開が特徴、ペインターによるウォールペイントも可能です。
大塚:御社では一般的なOOH枠の運営のほか、ロケーションビジネスも行っているんですよね。
越川:はい。施設を撮影場所にご利用いただいています。屋上からは渋谷の街が一望でき、都会的な映像が撮影できるということで、音楽番組にも使っていただいています。
2020年の「ジャニーズカウントダウン」では、SnowManのパフォーマンスフロアとしてご利用いただきました。イベント後、ファンの間では「聖地」化していまして、ファンアイテムを持参して写真撮影をされているお客様も見受けられます。
大塚:音楽番組ですと、照明やセットも組まれますよね。演出はどのように決めるのですか?
越川:ロケハンや打ち合わせを行ったうえで、基本的には制作会社にお任せしています。
大塚:自由度が高いんですね。あえてそのようにしているんですか?
手塚:出稿やご利用のお話をいただいたとき、渋谷PARCOのコンセプトやイメージとマッチするかどうかという検討はさせていただきますが、できるだけ間口を狭めたくないということは考えています。
越川:実施方法についても、ルールを基準にすべてを判断するのではなく、「どうしたらできるか」ということをクライアント様と一緒に考えていきたいと思っています。
例えば、ある番組から「営業時間中に撮影したい」というお申し出があった際、テナント店舗に事前に許諾を得たり、警備や設備など運営側の協力を取り付けたりして、迷惑をおかけすることなく実施することができました。
大塚:実施のハードルを下げようとしてくれる姿勢は、クライアントにとってありがたいですね。
鮮度の高い情報で渋谷の街をもっと面白く
大塚:コロナ禍の影響はいかがですか?
手塚:もちろん影響は受けていますが、2021年の11~12月は来館者数も非常に増え、回復傾向にあります。オンラインも強化したので、売上自体は伸びていますね。
1度目の緊急事態宣言の時は施設自体をクローズしたのですが、解除になってリオープンした際は、BiSHのオンラインライブを配信しました。
プロモーションはリアルの場だけでなく、テレビやYoutube、オンラインを含めて広がっていくのではないでしょうか。
大塚:素晴らしいです。手塚さんが思う渋谷の街と、渋谷PARCOの今後の展望お聞かせいただけますか?
手塚:渋谷は大型商業施設と、路地に並ぶユニークな専門店が同居する街です。それぞれが個性を放ちながら、常に新しいことに挑戦しているという点が渋谷の魅力ではないでしょうか。
街自体はこれからも開発が続き、面白くなっていくと思います。PARCOはポップアップやギャラリーも多いので、新しい情報を鮮度高く発信していくことが役割だと思っています。
プロフィール
株式会社パルコ
プロモーション部
https://www.parco.co.jp
【写真右】
業務部長 手塚千尋
【写真左】
ロケーションビジネス担当 越川小百合
取材・文/大貫翔子
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