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自殺数がブラジルで2番目に多い地域で、サッカーチームが壁に落書きしたワケ
Case: Changing the Game – Fortaleza EC
ブラジルのプロサッカークラブFortaleza ECが実施した、市民に自殺防止を呼びかけるキャンペーン“Changing the Game”をご紹介。
半年で3タイトルもの栄光を掴んでいたFortaleza ECですが、その喜びとは裏腹にチームの本社の壁には落書きが絶えないという現状がありました。落書きはチームに関するものではなく、世間への不満や抗議を表したものがほとんどです。
そんな中Fortaleza ECは、その落書きを逆手にとって自分たちも壁に落書きをすることにしました。
描いたのは「すべてが上手くいっているように見えても、悩みも存在する」というフレーズ。
ブラジルでは45分に1人が自殺しているという現実があり、チームが拠点にしているセアラ州州都はブラジルで2番目に自殺が多い都市として知られています。Fortaleza ECは、次世代を担う15-29歳の男女へ向けて落書きを通してメッセージを伝えたのです。絶好調のチームが言うからこそ、このフレーズは大きな反響を生みました。
結果的に本キャンペーンは国内のメディアから注目を集め、45以上の媒体に取り上げられ、WebサイトのPV数は4100万回、メディア露出は120万レアル(3100万円)相当にも及びました。
既にある落書きを消したり、取り締まるのではなく、それに乗っかり活用するという発想で世間に広くメッセージを伝えることに成功したキャンペーンでした。