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“スマホカメラ越し”にしか見えないメッセージとは?事件現場の野次馬をいさめたデジタル施策
Case: Trojan Billboard
事件や事故の際に、人命救助活動を行うレスキュー隊。一刻一秒を争うケースも多く、どれだけ迅速に現地に入れるかが非常に大切ですが、そんな時に妨げとなるのが興味本位で集まってくる人々の存在。
現場の様子やけが人を勝手にスマホで撮影しSNSにアップする非常識な行為が横行し、時には人だかりのせいで救助隊員の到着が遅れ、手遅れになってしまうケースも。
この問題を社会的に取り組む課題として挙げたのが、ドイツの連邦内務省(German Federal Ministry of the Interior)。野次馬行為について、今一度考えてもらうためのアイディアを考案しました。
その名も「Trojan Billboard(トロイの看板)」。
とある事故現場に設置された大きなデジタルディスプレイ。一見何も映っていないように見えますが、実はスマホのカメラレンズでかざすとスマホ画面に以下のようなメッセージが表示される仕掛けになっています。
If you want to share something, donate your blood.
(何かをシェアしたいのなら、献血を。)
Take care not pics.
(写真の代わりに気遣いを。)
Show emotions not emojis.
(絵文字ではなく、共感を。)
実際にこの看板を目にした人たちは「すごくいいアイディアだと思う」「これを見たら(写真を撮るのを)やめずにはいられない」と、自身の行いについて反省した様子。
“スマホカメラを使っている人だけに見えるメッセージ”で自粛を呼びかけた本施策は、SNSを中心に広く拡散し、ヨーロッパで一番売れている新聞でも紹介されたとのこと。人々の良心の呵責に訴えかける、クレバーなデジタル施策でした。
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