OOHニュース
【keyperson interview】クリエーティブ・ディレクター 眞鍋亮平氏「OOHは僕の恩人。デジタルと掛け合わせることでもっと新しい『体験』を生み出せる」【後編】
SPACE MEDIAを運営するミューカ代表・大塚省伍がOOH業界を牽引するキーパーソンの方々と対談を行い、変化の激しい業界の未来を創造する特集企画。
今回の対談相手は2020年クリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞した電通のクリエーティブ・ディレクター、眞鍋亮平氏。コロナ禍に誕生した大塚製薬「ポカリNEO合唱」は大きな話題になった。時代を象徴するポジティブなクリエイティブワークを次々と放つ今大注目のクリエーターに迫る。
前編はこちら
コロナという逆境から生まれた話題の施策。その極意とは?
大塚:2020年4月、「ポカリNE0合唱」が誕生し話題になりました。眞鍋さんはいつからポカリスエットの仕事に携わっているのですか?
眞鍋: 僕は2016年の春からデジタル担当のクリエーティブディレクターとしてチームに加わっています。
テレビCMを制作するチームやグラフィックチームと協業しながら最初に担当したのが、自分の潜在能力が引き出された瞬間の写真をSNSで投稿してもらう「ポカ写」キャンペーンでした。
『Popteen』の読者モデルさんにお手本の写真をアップしてもらったことで話題となり、投稿してもらった写真を大きく引き伸ばしてOOHのポスターにして掲出したり。最終的にはラフォーレ原宿の館内に投稿写真を額装して展示する「ポカ写展」までやらせていただきました。
眞鍋:その後、今度はダンスの投稿ムービーを募集する形で「ガチダンス選手権」をやって、3年目には昭和記念公園でリアルイベントの「ガチダンスフェス」も開催したり。
眞鍋:そして去年が合唱でした。
大塚:「ポカリNE0合唱」はSNSを中心に反響を呼びましたね。
眞鍋:当初のテレビC M企画をコロナの影響で断念せざるをえなくなり。学生がスマホで自撮りした映像を集めて一つの合唱にするというデジタル施策はすでに提案していたのですが、この企画を春のCM案にスライドさせることになりました。それまでの4年間、ダンス動画を投稿してもらい、それを編集したCMやWEBムービーを制作してきたのですが、その蓄積が活きる形になったと思います。CM公開が緊急事態宣言の3日後というタイミングになり、それも含めて「いつから準備してたんだ?」と話題になりました。
これまでのポカリスエットのデジタル施策やOOH施策を通じて、体験を伴う深いエンゲージメントをどう設計して、どう継続させていくかを学ばせていただきました。
大塚:アシックスの「ビッグ佳純」も驚きました。
眞鍋:今年の6月から、南砂町とお台場に高さ約4メートルの石川選手を出現させたことで、たくさんのメディアに取り上げてもらうことができました。
大塚:そんな眞鍋さん、去年はクリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。おめでとうございます。
眞鍋:正直ずっと憧れてた賞で、一度は受賞を諦めた頃もあったんですが遠回りしながらようやく辿り着くことができて嬉しかったです。
大塚:遠回りとは?
眞鍋:やっぱり自分はCMプランナーとしては突き抜けきれなかった所があって。2年上と2年下に篠原さんと東畑という天才がいて、共に切磋琢磨してきた仲間たちが一気にスターになって、ひとり取り残された感じだったんです。だから自分はハイブリッド型で勝負しようと思い、デジタルもOOHも学んできたんです。
それを「タコ足打法」と言ってるんですが。もともとCMプランニングという一本足打法だったのが、新たにOOHとかデジタル、P R、クリエイティブディレクションという足を生やすことでいろんなことを統合的にやれるようになる。それを強みにやってきたことを評価してもらい、世の中の流れなどいろんなことの巡り合わせで受賞できたと思っています。
新たな挑戦、それは意外なリブランディング
大塚:アフターコロナでの広告の在り方、期待などあればお聞かせ下さい。
眞鍋: コロナにより、やりたい表現をずっとみんな我慢していたわけで、それが一気に爆発する時期がそろそろ来るんじゃないかなと。OOHやリアルイベントを絡めたり、みんな密かに新たなアイデアを忍ばせているはず。自分も時が来たら溜め込んだアイデアを爆発させたいですね。
大塚:今後、具体的に眞鍋さんが挑戦したいことは?
眞鍋:実は最近役職が変わることが決まって、プレイングマネージャーの様な立場で新しくチャレンジしてみたいことがあるんです。それは、自社のリブランディング。今、いろいろな意味で過渡期にあるなと思っていて。自社のために本腰を入れて組織の活力を底上げしていく、そこに挑戦してみたいなと。
「自社のブランディングもできないのに他社のことができるのか?」という思いもありますし。そこに挑むことで、更に「新しい足」が生えてくるような気がしてます笑。
プロフィール
眞鍋 亮平
1997年に電通入社後、ずっとクリエーティブ局。2014年からクリエーティブ・ディレクター。マス広告やデジタルアド、PR、OOH、イベント施策など、目的に応じて最適な掛け合わせを考える企画や、コンテンツをハブにした参加型の広告キャンペーンに多数携わる。これまでに大塚製薬ポカリスエット2020「ポカリNEO合唱」、アシックス「ASICS FIRST RUN」、YouTube「好きなことで、生きていく」などを手がけているほか、2020年からNewsPicks StudiosのChief Creative Officerも兼務している。
2020年クリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。
眞鍋亮平さんツイッター
@ryoheimanabe
取材・文/太田光洋
今回の対談相手は2020年クリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞した電通のクリエーティブ・ディレクター、眞鍋亮平氏。コロナ禍に誕生した大塚製薬「ポカリNEO合唱」は大きな話題になった。時代を象徴するポジティブなクリエイティブワークを次々と放つ今大注目のクリエーターに迫る。
前編はこちら
コロナという逆境から生まれた話題の施策。その極意とは?
大塚:2020年4月、「ポカリNE0合唱」が誕生し話題になりました。眞鍋さんはいつからポカリスエットの仕事に携わっているのですか?
眞鍋: 僕は2016年の春からデジタル担当のクリエーティブディレクターとしてチームに加わっています。
テレビCMを制作するチームやグラフィックチームと協業しながら最初に担当したのが、自分の潜在能力が引き出された瞬間の写真をSNSで投稿してもらう「ポカ写」キャンペーンでした。
『Popteen』の読者モデルさんにお手本の写真をアップしてもらったことで話題となり、投稿してもらった写真を大きく引き伸ばしてOOHのポスターにして掲出したり。最終的にはラフォーレ原宿の館内に投稿写真を額装して展示する「ポカ写展」までやらせていただきました。
眞鍋:その後、今度はダンスの投稿ムービーを募集する形で「ガチダンス選手権」をやって、3年目には昭和記念公園でリアルイベントの「ガチダンスフェス」も開催したり。
眞鍋:そして去年が合唱でした。
大塚:「ポカリNE0合唱」はSNSを中心に反響を呼びましたね。
眞鍋:当初のテレビC M企画をコロナの影響で断念せざるをえなくなり。学生がスマホで自撮りした映像を集めて一つの合唱にするというデジタル施策はすでに提案していたのですが、この企画を春のCM案にスライドさせることになりました。それまでの4年間、ダンス動画を投稿してもらい、それを編集したCMやWEBムービーを制作してきたのですが、その蓄積が活きる形になったと思います。CM公開が緊急事態宣言の3日後というタイミングになり、それも含めて「いつから準備してたんだ?」と話題になりました。
これまでのポカリスエットのデジタル施策やOOH施策を通じて、体験を伴う深いエンゲージメントをどう設計して、どう継続させていくかを学ばせていただきました。
大塚:アシックスの「ビッグ佳純」も驚きました。
眞鍋:今年の6月から、南砂町とお台場に高さ約4メートルの石川選手を出現させたことで、たくさんのメディアに取り上げてもらうことができました。
大塚:そんな眞鍋さん、去年はクリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。おめでとうございます。
眞鍋:正直ずっと憧れてた賞で、一度は受賞を諦めた頃もあったんですが遠回りしながらようやく辿り着くことができて嬉しかったです。
大塚:遠回りとは?
眞鍋:やっぱり自分はCMプランナーとしては突き抜けきれなかった所があって。2年上と2年下に篠原さんと東畑という天才がいて、共に切磋琢磨してきた仲間たちが一気にスターになって、ひとり取り残された感じだったんです。だから自分はハイブリッド型で勝負しようと思い、デジタルもOOHも学んできたんです。
それを「タコ足打法」と言ってるんですが。もともとCMプランニングという一本足打法だったのが、新たにOOHとかデジタル、P R、クリエイティブディレクションという足を生やすことでいろんなことを統合的にやれるようになる。それを強みにやってきたことを評価してもらい、世の中の流れなどいろんなことの巡り合わせで受賞できたと思っています。
新たな挑戦、それは意外なリブランディング
大塚:アフターコロナでの広告の在り方、期待などあればお聞かせ下さい。
眞鍋: コロナにより、やりたい表現をずっとみんな我慢していたわけで、それが一気に爆発する時期がそろそろ来るんじゃないかなと。OOHやリアルイベントを絡めたり、みんな密かに新たなアイデアを忍ばせているはず。自分も時が来たら溜め込んだアイデアを爆発させたいですね。
大塚:今後、具体的に眞鍋さんが挑戦したいことは?
眞鍋:実は最近役職が変わることが決まって、プレイングマネージャーの様な立場で新しくチャレンジしてみたいことがあるんです。それは、自社のリブランディング。今、いろいろな意味で過渡期にあるなと思っていて。自社のために本腰を入れて組織の活力を底上げしていく、そこに挑戦してみたいなと。
「自社のブランディングもできないのに他社のことができるのか?」という思いもありますし。そこに挑むことで、更に「新しい足」が生えてくるような気がしてます笑。
プロフィール
眞鍋 亮平
1997年に電通入社後、ずっとクリエーティブ局。2014年からクリエーティブ・ディレクター。マス広告やデジタルアド、PR、OOH、イベント施策など、目的に応じて最適な掛け合わせを考える企画や、コンテンツをハブにした参加型の広告キャンペーンに多数携わる。これまでに大塚製薬ポカリスエット2020「ポカリNEO合唱」、アシックス「ASICS FIRST RUN」、YouTube「好きなことで、生きていく」などを手がけているほか、2020年からNewsPicks StudiosのChief Creative Officerも兼務している。
2020年クリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。
眞鍋亮平さんツイッター
@ryoheimanabe
取材・文/太田光洋
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