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道端に放置された2,000体の“テディベア”… 悲惨な境遇に置かれた子供の窮状を訴えるアンビエント施策
Case: Childhood is sacred
失くしたおもちゃは新たに購入することで取り戻すことができますが、“失った子ども時代”は取り戻すことができません。
世界では、数十万人の子どもたちが日々奴隷になる危険にさらされています。強要されたり、強制されたり、労働を強いられたり、兵役を強いられたり、無理やり花嫁にされることも。
そんな彼らは、“子ども時代を謳歌している”とは到底言うことができません。世界の子どもたちを支援するチャリティー団体World Visionは、悲惨な境遇におかれた子どもたちが抱える危険性を市民に理解してもらうべく、イギリスでユニークな啓発キャンペーンを打ち出しました。
同団体は、イギリスの街中に2,000体もの“テディベア”を放置したのです。
Hope(希望)と名付けられた各テディベアの腕にはタグがついていて、世界で困っている子どもたちの窮状や奴隷問題への問題提起が記載されています。テディベアを手に取った人々が#ShareHopeをつけてSNSで写真をシェアすることによって、この問題に対して警鐘を鳴らそうという取り組みです。
本キャンペーンにあたって、World Visionは1,000組以上のイギリスの親たちに子供に関するアンケートを取りました。
その結果、45%の親が「失くしたり壊れたりした時のために子どもが気に入っているおもちゃは同じものを2つ購入していること」、4人に1人の親が「子どもがおもちゃを置き忘れた時には200マイル先まででも取りに行くこと」、70%の親が「おもちゃが安全に返ってきた時には購入金額の2倍でも報酬を支払う意向があること」などがわかりました。
これらは、“子どもにとっていかにおもちゃが大切であるか”を表しているもので、そして、世界にはそんな大切なおもちゃ以上に、大切な子ども時代を失っている子どもたちが大勢いるということをメッセージングしたのです。
誰にとっても掛け替えのない子ども時代。世界中の子ども達が素敵な時を過ごせる世界を目指して、一風変わった比喩を通じてジブンゴト化を促した啓発キャンペーンでした。