OOHニュース
【編集長インタビュー】SPACE MEDIA立ち上げのきっかけは、業界の不透明さを変えたかったから ミューカ株式会社 大塚省伍
OOHメディア・ツールの情報や最新のOOHニュースを提供するOOHの総合情報サイト「SPACE MEDIA」は、おかげさまで1周年を迎える。そんな1周年の特別企画として、今回、編集長の大塚省伍へインタビューを実施。OOHに携わった経緯や「SPACE MEDIA」開設のきっかけ、新型コロナの猛威によって人流が制限され、真価が問われている今後のOOH業界についてなど、大塚省伍の胸の内を紐解く。
みんなの夢を叶えたい!
――まずはお仕事の経歴から教えてください。
大塚:約20年間OOHの仕事に携わってきました。前職では、交通広告やラッピングバスなどを販売するOOHの営業を担当していました。
街でクリエイティブを表現すること、クライアントの要望を実際にカタチにすることが面白くて、夢中になりました。
当時は、SNSもなかった時代なので、広告を見られた方にいかにインパクトを与えるかが重要でしたが、昨今ではOOHがSNSで拡散されることが増えてきたので、OOHの可能性がすごく広がっていると思います。
――独立されたきっかけは?
大塚:当時、デジタルサイネージが注目されはじめ、前職の会社もデジタルサイネージ事業に注力することになりました。店舗にデジタルサイネージ機器を導入する営業よりも広告ビジネスに興味がありましたので、30歳の時に思い切って独立しました。
立ち上げた会社名は「ミューカ株式会社」。
広告主・エンドユーザーや社員の「みんなの夢を叶える」から社名を決めました。
ミ ンナノ
ユ メヲ
|
カ ナエル
エンドユーザーの夢を叶えるという点では、現在取り組んでいる「応援広告」の事業もその一つです。今は応援広告をカルチャーにするために燃えています(笑)
■応援広告とは、企業ではなく、個人や団体が出稿する広告のこと。韓国が発祥と言われており、主にアイドルやタレントのファンが誕生日のお祝いに実施している。
OOHの魅力をもっと多くの方に知ってもらいたい
――「SPACE MEDIA」立ち上げの経緯を教えてください
大塚:業界を変えたい!と思ったのがきっかけです。変えたかったのは、不透明さ。
屋外看板の場合、代理店が2〜3社入ることで価格が2倍近くになっていることもあるんです。業界の慣習といえばそれまでですが、広告主が適正でない価格で買わされていることについて、どうしても腑に落ちない。
OOHはなかなか費用対効果が見えづらいですし、高い金額で購入させられると広告主のOOHに対する不信感につながることになり、その後、二度とOOHを実施してくれないと思うんです。
ですので、「SPACE MEDIA」ではメディアオーナーと広告主を直接マッチングする仕組みを開発し、導入しています。これにより、中間マージンを大幅にカットできるので、適正価格でメディアの購入が可能になります。
それから、もう一つの目的は、メディアオーナーの保有しているメディアや新規で開発したメディアをより多くの広告主に知っていただきたい為です。
弊社もOOHメディアの開発を行っていますが、開発後のセールスには苦労をしています。どんなに好立地なロケーションにメディアを開発しても、実際に現地で見ていただかないと新しいメディアができたことが伝わりにくい。
OOHは広告主に存在が知られにくいメディアです。広告主に知っていただき、購入していただけないとメディア開発の意味がありませんので、気軽にメディアを検索出来るプラットフォームとしてサービスを提供しています。
――ローンチから1年が経ちました。利用者の傾向や今後どのような方に利用して欲しいかなどをお聞かせください。
大塚:サービス開始当初に想像していたよりも、会員数・ダウンロード数が順調に伸び続けています。
「OOHの図書館」として、OOHメディア・ツールの登録数が5,000件、OOHニュースの掲載数が3,000件を突破しました。
特に国内・海外のOOH広告事例をたくさん掲載しているため、アイデアブレストや企画書作成時に利用していただくことも増えてきております。他社さんとの打ち合わせ時に見せられた企画書に弊社サイトのスクリーンショットが使用されていた時は、すごく嬉しかったですね(笑)
ぜひ、プランナーやクリエイターの方にもっと利用していただきたいですね。
また、業界最大手の広告代理店やナショナルクライアントのご利用も増えてきましたので、良いコンテンツを提供できていると自負しています。もっと多くのメディアオーナーに保有メディアを登録してほしいです。
やりきった先に新たなセレンディピティがある
――連載「keyperson interview」では、多くのOOHのトップランナーにお話を聞かれていますが、共通点などお気づきになった点は?
大塚:お話を伺わせていただいた方々に共通しているのが、はじめから輝かしいお仕事をしているのではないという点。当然といえば当然ですが、大変な下積み時代をご経験されています。
目の前の仕事を全力でやりきることで新たなセレンディピティ(偶然生まれた発明や発見)につながり、その先に今の成功があるということを皆さんお話しいただきました。インタビューを通して、トップランナーの方々も私たちと同じ人間で雲の上の存在ではないと気づくことができました。
こういった有益なお話をご紹介することで読者の方々の日々の仕事への取り組む姿勢になにか気づきを与えることができれば、OOH業界をもっと盛り上げていけるのではないかと思います。私も人生には飛び級はないと思うので、目の前の仕事に真剣に取り組むことで次のチャンスにつなげていきたいと思います。
これからのOOHは記憶に残る体験型
――今のOOHに思うこと、今後求められるOOHのあるべき姿はどのようなものになると思いますか?
大塚:OOHは「体験」だと思いますし、体験をいかに持ち帰ってもらうかが重要だと思います。
例えばビールメーカーの広告の場合、渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンでCMを視認しても、TVCMと同じ内容であまりインパクトはないかもしれません。
しかし、サウナ入浴中や旅行中にリゾート地で家族や恋人、友達などの大切な人と一緒に見たビールの広告は、体験や思い出と連動することで、「記憶」に残ると思います。
もちろん、渋谷スクランブル交差点にいる多数の人よりも、リーチ数は減ってしまいますが、心に残せるOOHにつながります。
こうした量よりも質にこだわった体験型のOOHメディアは、クライアントにとって長期的な顧客獲得につながるのではないかと考えています。弊社としてもそんな体験型のOOHメディアをこれからプロデュースしていきたいですね。
また、OOH業界はこれまで、費用対効果の数値化に対し、見て見ぬ振りをしてきた部分があると思います。もちろん、広告を見た方にインパクトを与えるなど測りきれない面もありますが。
最近では、プロモーションに対する効果の可視化が重要視されるようになりました。
これからは、人流データなど、どれだけの人にきちんと見られているのかを数値化することを業界として取り組んで行かなければいけないと思います。
OOHの強みである街の価値とユーザー情報などのデータを組み合わせたハイブリットな新しいOOHの価値を提供していければいいですね。
ご利用いただく広告主様やメディアオーナー様の方々のお声を反映させることで、サイトも成長してきました。
「SPACE MEDIA」は、今後もより良いサービスの提供を目指して、掲載メディア・ツール数・掲載ニュース数の増加やサイト機能の追加・改善に努めていきます。
プロフィール
SPACE MEDIA編集長
ミューカ株式会社 代表取締役
大阪府富田林市出身 近畿大学卒業
大学卒業後、広告代理店へ入社し、営業経験を経て、OOH広告を専門とするミューカ株式会社を設立。
https://myuka.co.jp/
原宿エリアの民家や商業施設に多数のポスターを掲出し、エリアジャックする「HARAJUKU WILD POSTING」を開発。
https://www.instagram.com/harajukuwildposting/
2020年3月にみんなの夢を叶えるサイト「ユメカナ」を開設。
https://yumecana.jp
2020年11月にOOHの総合情報サイト「SPACE MEDIA」のサービス開始。
https://space-media.jp/
みんなの夢を叶えたい!
――まずはお仕事の経歴から教えてください。
大塚:約20年間OOHの仕事に携わってきました。前職では、交通広告やラッピングバスなどを販売するOOHの営業を担当していました。
街でクリエイティブを表現すること、クライアントの要望を実際にカタチにすることが面白くて、夢中になりました。
当時は、SNSもなかった時代なので、広告を見られた方にいかにインパクトを与えるかが重要でしたが、昨今ではOOHがSNSで拡散されることが増えてきたので、OOHの可能性がすごく広がっていると思います。
――独立されたきっかけは?
大塚:当時、デジタルサイネージが注目されはじめ、前職の会社もデジタルサイネージ事業に注力することになりました。店舗にデジタルサイネージ機器を導入する営業よりも広告ビジネスに興味がありましたので、30歳の時に思い切って独立しました。
立ち上げた会社名は「ミューカ株式会社」。
広告主・エンドユーザーや社員の「みんなの夢を叶える」から社名を決めました。
ミ ンナノ
ユ メヲ
|
カ ナエル
エンドユーザーの夢を叶えるという点では、現在取り組んでいる「応援広告」の事業もその一つです。今は応援広告をカルチャーにするために燃えています(笑)
■応援広告とは、企業ではなく、個人や団体が出稿する広告のこと。韓国が発祥と言われており、主にアイドルやタレントのファンが誕生日のお祝いに実施している。
OOHの魅力をもっと多くの方に知ってもらいたい
――「SPACE MEDIA」立ち上げの経緯を教えてください
大塚:業界を変えたい!と思ったのがきっかけです。変えたかったのは、不透明さ。
屋外看板の場合、代理店が2〜3社入ることで価格が2倍近くになっていることもあるんです。業界の慣習といえばそれまでですが、広告主が適正でない価格で買わされていることについて、どうしても腑に落ちない。
OOHはなかなか費用対効果が見えづらいですし、高い金額で購入させられると広告主のOOHに対する不信感につながることになり、その後、二度とOOHを実施してくれないと思うんです。
ですので、「SPACE MEDIA」ではメディアオーナーと広告主を直接マッチングする仕組みを開発し、導入しています。これにより、中間マージンを大幅にカットできるので、適正価格でメディアの購入が可能になります。
それから、もう一つの目的は、メディアオーナーの保有しているメディアや新規で開発したメディアをより多くの広告主に知っていただきたい為です。
弊社もOOHメディアの開発を行っていますが、開発後のセールスには苦労をしています。どんなに好立地なロケーションにメディアを開発しても、実際に現地で見ていただかないと新しいメディアができたことが伝わりにくい。
OOHは広告主に存在が知られにくいメディアです。広告主に知っていただき、購入していただけないとメディア開発の意味がありませんので、気軽にメディアを検索出来るプラットフォームとしてサービスを提供しています。
――ローンチから1年が経ちました。利用者の傾向や今後どのような方に利用して欲しいかなどをお聞かせください。
大塚:サービス開始当初に想像していたよりも、会員数・ダウンロード数が順調に伸び続けています。
「OOHの図書館」として、OOHメディア・ツールの登録数が5,000件、OOHニュースの掲載数が3,000件を突破しました。
特に国内・海外のOOH広告事例をたくさん掲載しているため、アイデアブレストや企画書作成時に利用していただくことも増えてきております。他社さんとの打ち合わせ時に見せられた企画書に弊社サイトのスクリーンショットが使用されていた時は、すごく嬉しかったですね(笑)
ぜひ、プランナーやクリエイターの方にもっと利用していただきたいですね。
また、業界最大手の広告代理店やナショナルクライアントのご利用も増えてきましたので、良いコンテンツを提供できていると自負しています。もっと多くのメディアオーナーに保有メディアを登録してほしいです。
やりきった先に新たなセレンディピティがある
――連載「keyperson interview」では、多くのOOHのトップランナーにお話を聞かれていますが、共通点などお気づきになった点は?
大塚:お話を伺わせていただいた方々に共通しているのが、はじめから輝かしいお仕事をしているのではないという点。当然といえば当然ですが、大変な下積み時代をご経験されています。
目の前の仕事を全力でやりきることで新たなセレンディピティ(偶然生まれた発明や発見)につながり、その先に今の成功があるということを皆さんお話しいただきました。インタビューを通して、トップランナーの方々も私たちと同じ人間で雲の上の存在ではないと気づくことができました。
こういった有益なお話をご紹介することで読者の方々の日々の仕事への取り組む姿勢になにか気づきを与えることができれば、OOH業界をもっと盛り上げていけるのではないかと思います。私も人生には飛び級はないと思うので、目の前の仕事に真剣に取り組むことで次のチャンスにつなげていきたいと思います。
これからのOOHは記憶に残る体験型
――今のOOHに思うこと、今後求められるOOHのあるべき姿はどのようなものになると思いますか?
大塚:OOHは「体験」だと思いますし、体験をいかに持ち帰ってもらうかが重要だと思います。
例えばビールメーカーの広告の場合、渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンでCMを視認しても、TVCMと同じ内容であまりインパクトはないかもしれません。
しかし、サウナ入浴中や旅行中にリゾート地で家族や恋人、友達などの大切な人と一緒に見たビールの広告は、体験や思い出と連動することで、「記憶」に残ると思います。
もちろん、渋谷スクランブル交差点にいる多数の人よりも、リーチ数は減ってしまいますが、心に残せるOOHにつながります。
こうした量よりも質にこだわった体験型のOOHメディアは、クライアントにとって長期的な顧客獲得につながるのではないかと考えています。弊社としてもそんな体験型のOOHメディアをこれからプロデュースしていきたいですね。
また、OOH業界はこれまで、費用対効果の数値化に対し、見て見ぬ振りをしてきた部分があると思います。もちろん、広告を見た方にインパクトを与えるなど測りきれない面もありますが。
最近では、プロモーションに対する効果の可視化が重要視されるようになりました。
これからは、人流データなど、どれだけの人にきちんと見られているのかを数値化することを業界として取り組んで行かなければいけないと思います。
OOHの強みである街の価値とユーザー情報などのデータを組み合わせたハイブリットな新しいOOHの価値を提供していければいいですね。
ご利用いただく広告主様やメディアオーナー様の方々のお声を反映させることで、サイトも成長してきました。
「SPACE MEDIA」は、今後もより良いサービスの提供を目指して、掲載メディア・ツール数・掲載ニュース数の増加やサイト機能の追加・改善に努めていきます。
プロフィール
SPACE MEDIA編集長
ミューカ株式会社 代表取締役
大阪府富田林市出身 近畿大学卒業
大学卒業後、広告代理店へ入社し、営業経験を経て、OOH広告を専門とするミューカ株式会社を設立。
https://myuka.co.jp/
原宿エリアの民家や商業施設に多数のポスターを掲出し、エリアジャックする「HARAJUKU WILD POSTING」を開発。
https://www.instagram.com/harajukuwildposting/
2020年3月にみんなの夢を叶えるサイト「ユメカナ」を開設。
https://yumecana.jp
2020年11月にOOHの総合情報サイト「SPACE MEDIA」のサービス開始。
https://space-media.jp/