OOHニュース

ウィズコロナ時代に800gで革命を起こす。人流が見えれば未来が変わる 日経リサーチ 池田達哉
2021年の新語・流行語大賞トップ10にランクインしたワード「人流」。コロナ禍で頻繁に使われ、場所や時間帯における人出の規模などを表す言葉として重宝されたことは記憶に新しい。
それは今尚続く感染予防・感染対策に欠かせないキーワードだがコロナ禍に誕生した画期的なサービスをご存知だろうか?それは日経リサーチの人流計測サービス「スキア」だ。
人の位置や動きを正確に測定し、人流を可視化するウィズコロナ時代に寄与した技術。それはどのようにして生まれたのか?今回、開発チームリーダーを務めた新規事業開発担当の池田達哉氏にスキアの誕生秘話、こだわりを聞いた。
経験則や勘に頼らない誰もが欲しいリアルな数字を提供する
大塚:コロナ禍ということもあり、御社の画期的な人流計測サービスは以前から耳にしておりました。今回詳しくお話を伺えるということで改めて感謝いたします。
池田:こちらこそありがとうございます。今までこういう形で計測したデータを使うこともそれほどなかったと思いますしOOHにも役立つと思っておりますのでよろしくお願いします。
大塚:まずは「スキア」とはどんなサービスなのか改めて教えてください。
池田:スキアは、車の自動運転などに使われるレーザー光を使ったセンサーの一種「LiDAR(ライダー)」を用いて人の位置や動きを正確に測定するサービスです。数ミリ単位で正確に人と人との距離を計測し、どの程度密集しているのかをマッピングして提供できるのが特徴です。
大塚:実際どのような機械で計測しているんでしょうか?
池田:それはこちらになります。手のひらサイズで重さは約800gの機器になります。
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池田:これをお店やオフィスの端っこ、高さ180センチぐらいの所に設置するだけで半径20m位の範囲の人の動きや動線を計測することが可能になります。実際に計測した時の画像はこんな風になります。
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池田:シマ模様のデータから人を明確に認識し、位置や距離、動きを記録することができるんです。オフィスなら各社員の動線だったり、店舗なら店員さんの動きから、お客さんの人数や時間なども計測できるので回転率の算出も可能です。それらのデータはレイアウトの改善や集客力の向上にお使い頂けます。
ちなみにこの技術は中央大学理工学部教授の新妻実保子先生との共同開発によるもので、人とモノを判別する技術から、立位・座位の判別まで実現できました。
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大塚:これまでもカメラなどによる人流計測技術はあったと思うんですがスキアのイチ推しポイントを教えて下さい。
池田:なんと言っても顔が映らないので誰か分からない、つまりプライバシー侵害の恐れが無い所です。カメラを使った計測とは違い、個人情報を取得しない点が大きなメリットになると自負しております。
また、目に見えない光で感知するので日常の邪魔にもならないですし人体にも影響はありません。計測機器も置けばいいだけなので工事もほとんど必要ないんです。
大塚:今後のビジネスやマーケティングにとって大きな改革になりそうですね。
池田:これまでの実例では「客が少ないからプロモーションをやった方がいい」とか「商品の値段を上げた方がいい」とか、とりあえず経験則で言うことが多かった、いわば勘ですよね笑。
数字や人流データから分析してどうすればいいかという共通言語がなかったので、その辺を見直そうというお客様にお使い頂いてます。
大塚:店舗もそうですがOOHでも活用できそうですよね。
池田:はい、デジタルサイネージがあれば近づいて見た人がどれくらいいるのか?また、人の移動スピードもわかるので立ち止まった人がどれだけいるか?なども計測できます。
そもそもサイネージについてはあまり指標がないと思うんですが、そこで今までにないデータを提供できればさらにもう一歩踏み込んだアクションが起こせると思っています。
スキアは頑張っている人の努力も可視化してくれる
大塚:そもそもこのスキアを開発しようと思ったきっかけは?
池田:もともとは弊社の新規事業としてカメラを使った人流測定を考えていたんですが、とある展示会で新妻先生のLiDARと出会い「これを使えばプライバシーに配慮しつつ、人の動きを計測できる」と思い、一緒に開発をさせて頂くことになりました。
当時は2018年。コロナ以前でオフィスの効率活用や社員の交流促進を目的に開発を進めていたんですがその最中、世界はコロナに。そこから三密回避や感染拡大にも活用できると考え、急いで開発を進め2020年の夏にサービスを開始しました。
大塚:今やオフィスのみならず多くの百貨店やショッピングモール、フードコートで利用されているとお聞きしました。実際に使用しているお客様からの反応は?
池田:コロナ禍で売上げが減っている中でもお店に興味をもって近づいてくれた人、注目してくれた人の率が上がっているというデータから「環境が悪い中でも一生懸命動いている店員がいることに気付かされた」という声もありました。
お客さんや店員の動きを確認することで売上げの結果だけでなく、店員の努力や見えないチャンスの瞬間も分かってくる、そこから売上げを伸ばせると認識できるんです。
大塚:いわゆる『見える化』ですね。
池田:ですね。結果に加えその過程を見えるようにすることで社員の評価UPにもつながり、それが社員のモチベーションUPにもつながる。ある意味「努力」も見えるようになるんだと我々も気付かされましたね。
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大塚:今後、御社が目指すもの、スキアが目指すものとは?
池田:視覚で人流を認識できることは見ると面白いですけど、意外と「ふーん」で終わっちゃうんです。なのでデータをもとにお店やオフィスのレイアウトなど実践的なコンサルも一緒にやれたらいいなと思っています。
まだまだ活用法はいろいろあると思っています。その全てを提案できているかというとまだ不完全な部分もあるのでそれを突き詰めていければいいなと。スキアは事前学習の必要もなく、そのコストもないので人流計測には非常にコスパの良いサービスだと思っております。
大塚:最後にOOHへの活用についても一言頂ければ幸いです。
池田:OOHでは通行してる人数、近づいている人数などはあまり数値化してないと思うんですがその指標を作るために使って頂けると思います。
カメラにはカメラの良さもありますが、たとえばサイネージがあってその商品を扱っているお店が近くにあったら実際にサイネージを見た人がお店に行ってるのかどうか?次のアクションにつながっているかを確認するならスキアは役立てるはず。OOHはリアルの空間。人のリアルな動きに役立つサービスとしてもっと拡まっていければと思っています。
プロフィール
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株式会社日経リサーチ
執行役員 新規事業開発担当 池田達哉
https://www.nikkei-r.co.jp/
OOHメディア・ツール
■人流計測サービス「スキア」

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それは今尚続く感染予防・感染対策に欠かせないキーワードだがコロナ禍に誕生した画期的なサービスをご存知だろうか?それは日経リサーチの人流計測サービス「スキア」だ。
人の位置や動きを正確に測定し、人流を可視化するウィズコロナ時代に寄与した技術。それはどのようにして生まれたのか?今回、開発チームリーダーを務めた新規事業開発担当の池田達哉氏にスキアの誕生秘話、こだわりを聞いた。
経験則や勘に頼らない誰もが欲しいリアルな数字を提供する
大塚:コロナ禍ということもあり、御社の画期的な人流計測サービスは以前から耳にしておりました。今回詳しくお話を伺えるということで改めて感謝いたします。
池田:こちらこそありがとうございます。今までこういう形で計測したデータを使うこともそれほどなかったと思いますしOOHにも役立つと思っておりますのでよろしくお願いします。
大塚:まずは「スキア」とはどんなサービスなのか改めて教えてください。
池田:スキアは、車の自動運転などに使われるレーザー光を使ったセンサーの一種「LiDAR(ライダー)」を用いて人の位置や動きを正確に測定するサービスです。数ミリ単位で正確に人と人との距離を計測し、どの程度密集しているのかをマッピングして提供できるのが特徴です。
大塚:実際どのような機械で計測しているんでしょうか?
池田:それはこちらになります。手のひらサイズで重さは約800gの機器になります。
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池田:これをお店やオフィスの端っこ、高さ180センチぐらいの所に設置するだけで半径20m位の範囲の人の動きや動線を計測することが可能になります。実際に計測した時の画像はこんな風になります。
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池田:シマ模様のデータから人を明確に認識し、位置や距離、動きを記録することができるんです。オフィスなら各社員の動線だったり、店舗なら店員さんの動きから、お客さんの人数や時間なども計測できるので回転率の算出も可能です。それらのデータはレイアウトの改善や集客力の向上にお使い頂けます。
ちなみにこの技術は中央大学理工学部教授の新妻実保子先生との共同開発によるもので、人とモノを判別する技術から、立位・座位の判別まで実現できました。
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大塚:これまでもカメラなどによる人流計測技術はあったと思うんですがスキアのイチ推しポイントを教えて下さい。
池田:なんと言っても顔が映らないので誰か分からない、つまりプライバシー侵害の恐れが無い所です。カメラを使った計測とは違い、個人情報を取得しない点が大きなメリットになると自負しております。
また、目に見えない光で感知するので日常の邪魔にもならないですし人体にも影響はありません。計測機器も置けばいいだけなので工事もほとんど必要ないんです。
大塚:今後のビジネスやマーケティングにとって大きな改革になりそうですね。
池田:これまでの実例では「客が少ないからプロモーションをやった方がいい」とか「商品の値段を上げた方がいい」とか、とりあえず経験則で言うことが多かった、いわば勘ですよね笑。
数字や人流データから分析してどうすればいいかという共通言語がなかったので、その辺を見直そうというお客様にお使い頂いてます。
大塚:店舗もそうですがOOHでも活用できそうですよね。
池田:はい、デジタルサイネージがあれば近づいて見た人がどれくらいいるのか?また、人の移動スピードもわかるので立ち止まった人がどれだけいるか?なども計測できます。
そもそもサイネージについてはあまり指標がないと思うんですが、そこで今までにないデータを提供できればさらにもう一歩踏み込んだアクションが起こせると思っています。
スキアは頑張っている人の努力も可視化してくれる
大塚:そもそもこのスキアを開発しようと思ったきっかけは?
池田:もともとは弊社の新規事業としてカメラを使った人流測定を考えていたんですが、とある展示会で新妻先生のLiDARと出会い「これを使えばプライバシーに配慮しつつ、人の動きを計測できる」と思い、一緒に開発をさせて頂くことになりました。
当時は2018年。コロナ以前でオフィスの効率活用や社員の交流促進を目的に開発を進めていたんですがその最中、世界はコロナに。そこから三密回避や感染拡大にも活用できると考え、急いで開発を進め2020年の夏にサービスを開始しました。
大塚:今やオフィスのみならず多くの百貨店やショッピングモール、フードコートで利用されているとお聞きしました。実際に使用しているお客様からの反応は?
池田:コロナ禍で売上げが減っている中でもお店に興味をもって近づいてくれた人、注目してくれた人の率が上がっているというデータから「環境が悪い中でも一生懸命動いている店員がいることに気付かされた」という声もありました。
お客さんや店員の動きを確認することで売上げの結果だけでなく、店員の努力や見えないチャンスの瞬間も分かってくる、そこから売上げを伸ばせると認識できるんです。
大塚:いわゆる『見える化』ですね。
池田:ですね。結果に加えその過程を見えるようにすることで社員の評価UPにもつながり、それが社員のモチベーションUPにもつながる。ある意味「努力」も見えるようになるんだと我々も気付かされましたね。
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大塚:今後、御社が目指すもの、スキアが目指すものとは?
池田:視覚で人流を認識できることは見ると面白いですけど、意外と「ふーん」で終わっちゃうんです。なのでデータをもとにお店やオフィスのレイアウトなど実践的なコンサルも一緒にやれたらいいなと思っています。
まだまだ活用法はいろいろあると思っています。その全てを提案できているかというとまだ不完全な部分もあるのでそれを突き詰めていければいいなと。スキアは事前学習の必要もなく、そのコストもないので人流計測には非常にコスパの良いサービスだと思っております。
大塚:最後にOOHへの活用についても一言頂ければ幸いです。
池田:OOHでは通行してる人数、近づいている人数などはあまり数値化してないと思うんですがその指標を作るために使って頂けると思います。
カメラにはカメラの良さもありますが、たとえばサイネージがあってその商品を扱っているお店が近くにあったら実際にサイネージを見た人がお店に行ってるのかどうか?次のアクションにつながっているかを確認するならスキアは役立てるはず。OOHはリアルの空間。人のリアルな動きに役立つサービスとしてもっと拡まっていければと思っています。
プロフィール
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株式会社日経リサーチ
執行役員 新規事業開発担当 池田達哉
https://www.nikkei-r.co.jp/
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■人流計測サービス「スキア」

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